日本一の巨樹がピンチ…推定樹齢1500年「蒲生の大クス」、「このままでは枯れてしまうのでは」―姶良市が土壌改良・舗装・遊歩道設置
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鹿児島県姶良市は、国指定特別天然記念物「蒲生の大クス」の保護増殖事業報告書を刊行した。推定樹齢1500年といわれる日本一の巨樹の樹勢の衰えを受けて実施した9年がかりの事業。「枝ぶりや葉の色、大きさなどに樹勢の確実な回復を実感できる」と成果を強調している。報告書によると、2015年8月の台風、16年1月の大雪の影響で樹勢の衰退が顕在化。17年度から25年度まで国の補助を受けて総額約8400万円、過去最大規模の再生事業を実施した。
具体的には、人や車の通行で硬くなった周辺の土壌改良や、硬くなりにくくする最新の舗装、木製遊歩道の設置、枝の生育を妨げていた近くのイチョウ伐採などを行った。
保護増殖検討委員会の寺田仁志委員長は「日本一の木を支える」と題する文章を寄せ、「このままでは枯れてしまうのではないかと、多くの方が心配されていました」と回顧。「9年にわたる取り組み」で「しっかりと回復状況を確認しながら進めることができた」「以前と比べて見違えるほど元気を取り戻しています」と記している。
報告書はA4判、218ページ。巻頭に、2016年と25年の大クスの比較写真を掲載。事業の経緯、各年度の事業の実施状況、事業効果などをまとめている。
市内の図書館、小中学校、県内市町村教委、県立図書館の他、国指定天然記念物の樹木がある全国の自治体に配布した。