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和光園存続へ署名活動 ハンセン病市民学会で採択 参加者ら園内見学 奄美市名瀬
事件・事故 南海日日新聞 👁 9

和光園存続へ署名活動 ハンセン病市民学会で採択 参加者ら園内見学 奄美市名瀬

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 ハンセン病市民学会の交流集会in奄美(同学会、開催地実行委員会主催)は最終日の17日、鹿児島県奄美市名瀬で分科会と全体会があった。国立療養所奄美和光園であった全体会には約150人が参加。入所者の減少や高齢化で存続の是非が問われている同園の「永続化」を目指した署名活動を全国で展開することを確認した他、同園内を見学するフィールドワークも実施して施設に対する理解を深めた。

 市民学会はハンセン病問題の真相究明、差別・偏見の解消、施設の将来の在り方などを市民と一緒になって考え、取り組む目的で年1回開催している。

 最終日午前はテーマ別に2会場で分科会を開いた。同園講堂であった「和光園の永続化」をテーマにした分科会では、全日本国立医療労働組合(全医労)奄美支部の福崎昭徳支部長が同園の現状について報告した後、パネルディスカッションを行った。

 パネリストは福崎支部長のほか、稲源一郎(大島郡医師会会長)、屋猛司(全国ハンセン病療養所入所者協議会会長)、福田恵信(奄美和光園と共に歩む会代表)の4氏。入所者6人で平均年齢は87・5歳と高齢化が進む同園の将来像について「訪問介護、訪問医療の拠点施設を目指すべき」などの提言があり、方策として「ハンセン病問題基本法」の改正を求める署名活動を全国で進めることを採択した。

 午後は全体会が開かれ、各分科会の内容が報告された他、質疑応答も実施。同園で外来診療が行われている皮膚科について「専門性が高く高度な医療が可能。要介護者の床ずれや糖尿病由来の症状などのケアに生かすことで、奄美の医療全体の発展につなげられないか」などの意見が出た。

 また、ハンセン病とされた男性が殺人罪などで死刑となった「菊池事件」について市民学会として再審請求に協力する方針も示された。

 全体会と並行してフィールドワークも実施され、参加者は交流会館(歴史資料館)、霊安解剖棟跡など同園内の施設を見学して、施設のこれまでの歩みについて理解を深めた。

 市民学会共同代表の訓覇浩氏(大谷大学非常勤講師)は「予想以上に多くの参加があっただけでなく、個々人の熱量も感じられる内容のある催しになった。奄美で学んだことを各地に持ち帰って一市民としてできることを考える機会にしてほしい」と期待した。

 実行委員長を務めた福田氏は「離島開催ということで不安もあったが、無事に終えることができた。集会を通して永続化へ向けて一歩踏み出せた」と2日間を振り返り、「ハンセン病問題基本法制定の時も署名活動を展開した経験がある。今後も園と協力して基本法改正を求めていきたい」と展望を語った。