カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
総合 読売新聞オンライン 👁 6

「飼い主不明ネコ」徳之島でゼロ目指す10年間の管理計画…ハブ対策でノネコ化、アマミノクロウサギが被害

📰 全文
 世界自然遺産に登録されている鹿児島県・徳之島の生態系を保全するため、環境省沖縄奄美自然環境事務所や県、地元3町は、特別天然記念物「アマミノクロウサギ」といった希少種を捕殺する猫に関する管理計画を策定した。今年度から2035年度までの10年間で、飼養登録がなく、屋外で活動する「飼い主不明ネコ」の発生源をなくすことを目標に掲げている。(小野悠紀)

 県によると、徳之島には元々、猫を含む肉食性哺乳類はいなかったが、餌となるネズミを求めて人の生活圏に現れるハブ対策として、猫を屋外で放し飼いにしてきたとされる。その一部が野生化し、常に山野で生活する「ノネコ」となっており、実際にアマミノクロウサギなどが被害に遭う事例が確認されている。

 徳之島ではこれまで、環境省が森林内でノネコを捕獲したり、地元の徳之島、天城、伊仙の3町がそれぞれ飼い猫の適正な飼養を求める条例を制定したりしてきた。しかし、世界自然遺産地域科学委員会による24年度のモニタリング評価では、「外来種による捕殺状況」の項目で、登録された4エリアの中で徳之島のみが4段階のうち下から2番目の「B評価」だった。

 そのため、県など5機関は、より連携した取り組みが必要だと判断。24年度から議論を始め、今年5月に徳之島では初めてとなる「ネコ管理計画」を策定した。

 計画は島全域が対象で、生態系の保全のほか、人間にも感染する「人獣共通感染症」の拡大といったリスクの軽減、猫の安全や健康維持を目的としている。住民が猫を飼う際は自治体に登録し、室内での飼養の徹底を求めるほか、屋外にいる猫へのみだりな餌やりを禁止するよう啓発に取り組んだり、飼い主不明ネコの繁殖制限事業を継続しつつ効果の検証を行ったりする。

 今後、関係機関の役割分担や年次ごとの取り組み内容などを盛り込んだロードマップを作成し、毎年、実施状況を確認する方針。計画期間の10年間で屋外の猫の減少を目標とし、最終的には飼い主不明ネコが確認されない状態を目指す。

 県自然保護課の川瀬翼課長は「目標を達成するには、地域住民の協力も不可欠。計画に基づいて発生源を断つことができるよう、関係機関が意識を統一して取り組みたい」と話している。