全国初、奄美の希少野鳥2種の保護増殖事業が完了 個体数が回復
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環境省は6月30日、鹿児島県・奄美大島に生息する希少な鳥類2種の保護増殖事業が完了したと発表した。四半世紀以上にわたる外来種対策などが実り、絶滅の恐れが高かった2種の個体数が回復した。今後もモニタリングは続ける。同事業の完了は全国で初めて。2種は、奄美大島や徳之島などに生息するアマミヤマシギと、奄美大島にのみ生息するオオトラツグミ。外来種による捕食や森林伐採などにより、いずれも絶滅危惧種に指定されていた。
1999年、環境庁(当時)などは安定的に存続できる状態を目標に保護増殖計画を策定。外来種駆除や奄美群島の国立公園化などの対策を進めた。奄美大島では2024年に外来種マングースが根絶されるなど効果が出た。
その結果、アマミヤマシギは奄美大島を含めた3島の推定個体数が07年の約4100羽から21年には約1万7000羽まで増加。オオトラツグミも個体数の回復傾向が確認され、分布域も拡大。2種は26年3月に改定された環境省レッドリストで「準絶滅危惧種」となり、初めて絶滅危惧種から外れた。
30日に記者会見した国の有識者検討会座長の石井信夫・東京女子大名誉教授は「世界でも日本でも生物多様性が著しく減少傾向にある中で、きちんと対策をすれば絶滅危惧状態からの回復が可能だと実証された」と評価した。
環境省の保護増殖事業は「種の保存法」で指定された国内希少種のうち、絶滅の恐れが高く繁殖促進や生息地整備などが必要と判断された動植物が対象。現在、希少種458種のうち79種を対象に計58計画が進められている。トキやタンチョウなど個体数の回復がみられる種もいるが、完了に至った事例はなかった。
政府の生物多様性国家戦略は、30年までに保護増殖事業の完了を「5種程度」に増やすことを目標の一つに掲げている。【高橋由衣】