「桜島から4.2キロ完泳」清水小41人が全員ゴール 72年の伝統・錦江湾横断遠泳 姉妹・親子の感動エピソードも
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夏の鹿児島に、子どもたちの歓声が響いた。7月21日、清水小学校の4年生から6年生まで41人が桜島から鹿児島市の磯海水浴場まで約4.2キロを泳ぎ切る「錦江湾横断遠泳」が行われ、参加した全員が見事ゴールした。2026年で72回目を迎えるこの伝統行事。「妹と泳ぎながら後ろを向いておしゃべりしました」という6年生の言葉が、その和やかな雰囲気を物語っている。強い日差しが照りつける中、桜島の小池海岸に集まった清水小学校の児童41人。彼らが挑むのは、錦江湾横断遠泳だ。桜島の小池海岸を出発し、磯海水浴場まで約4.2キロを泳いで渡るこの行事は、清水小学校の夏の伝統として長く受け継がれてきた。2026年で72回目を迎え、地域の子どもたちにとって特別な意味を持つ夏の節目となっている。
着水した子どもたちは、お互いの緊張をほぐすように声を掛け合い、時折笑顔を見せながらスタートの合図を待った。「錦江湾横断遠泳、絶対にみんなで完泳するぞ」「おー!」という力強い掛け声とともに、「3・2・1」のカウントダウンが告げられると、41人が一斉に泳ぎ始めた。
前の人に続きながら、平泳ぎで少しずつ前へ進む子どもたち。懸命に泳ぐ姿に、保護者たちも成長を実感していた。6年生の母親は「全然泳げなかったけどすごく泳げるようになって、成長をすごく感じて、そんなことができる年になったのかと親としても驚いている」と目を細めた。
出発からおよそ1時間が経つと、ゴール地点の磯海水浴場に子どもたちの姿が見え始めた。「おかえり〜!」。カメラを手にした保護者たちが、最後の声援を送る。そしてスタートから1時間32分、41人の児童全員が笑顔でゴールを果たした。
今回の遠泳では、家族の絆を感じさせるエピソードが随所に見られた。初挑戦となった4年生の渡辺結花さんは「楽しかったです。最後はみんなの『がんばれ』という声が聞こえた」と笑顔で振り返った。6年生で最後の遠泳となった姉の渡辺彩織さんも「うれしい。泳ぎながら後ろを向いておしゃべりしました」と、妹と一緒に泳いだ喜びを語った。
4年前にこの遠泳を経験したという姉・嘉村真央さんは、ゴールした妹を出迎え「成長したなと思いました」と目を細めた。5年生の妹・嘉村妃莉さんは「最初は緊張したけど、泳ぐ途中はあと少しだと思って頑張りました」と胸を張った。
さらに、親子で錦江湾を泳いだケースもあった。初挑戦の4年生・小原郁人くんは「ちょっとこわかった」と正直な感想を打ち明けつつも、完泳の達成感をにじませた。父の旅人さん自身も清水小学校の卒業生で、同じ遠泳を経験した一人だ。「私も卒業生。一緒に泳げるなんて思ってもいなかったので、いい経験をさせてもらった」と、目を潤ませながら語った。
同じコースを父と子が世代を超えて泳ぐ。72年間続くこの伝統行事が、地域のコミュニティと家族の物語を紡ぎ続けていることを象徴するような場面だった。
ゴールした子どもたちの口から出た言葉は「遠泳最高!」。厳しい練習を乗り越え、約4.2キロの錦江湾を泳ぎ切った41人は、この夏の挑戦でひと回り大きく成長した。
初挑戦の緊張、泳ぎながら交わした姉妹の会話、親子で共に渡った錦江湾の記憶。それぞれが胸に刻んだこの経験は、きっと長く語り継がれていくだろう。72回目の夏も、清水小学校の子どもたちは錦江湾を泳ぎ切った。