鹿児島県 希少野生生物保護対策協・徳之島地区 クロウサギ交通死ペース激減 諸対策効果の推測も 協議会解散、組織再編へ
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【徳之島】奄美群島希少野生生物保護対策協議会・徳之島地区会議(県主催)が21日、天城町役場で開かれた。関係機関が2025年度の事業実績や26年度の計画を報告・協議し、アマミノクロウサギのロードキル(交通事故死)が今年に入り大幅に減少している状況を確認した。一方、希少種の密猟や盗掘、盗採対策では、罰則を伴う条例制定の強化を求める意見が出た。また、同協議会を11月末で解散し、「世界自然遺産地域連絡会議・徳之島地域部会」へ発展的に統合・再編する方針案が示され、概ね了承された。会議には県や環境省、徳之島3町など関係機関の担当者に加え、県希少野生動植物保護推進員ら計22人が出席。川瀬翼会長(県自然保護課長)のあいさつに続き、各機関が保護対策の取り組み状況を報告した。
26年度計画では、農作物被害などを含めた「クロウサギとの共生に関するアンケート」の実施や、特定外来生物シロアゴガエルの防除事業、外来植物対策の優先度リスト(仮称)の作成を計画。希少種の盗掘・盗採防止パトロールや啓発活動も継続する。
世界自然遺産の価値である生物多様性を維持する上で、クロウサギのロードキル対策は最重要課題の一つ。環境省の報告によると、徳之島では7月末現在の確認件数が3件。25年中の29件(うち27件は死体確認)と比べ、大幅な減少となっている。
多発区間に設置されたミリ波レーダーやライダーを活用したロードキル防止システムをはじめ、啓発活動の「効果が出てきたのではないか」との見方が示された。一方では、出没が多い地点での個体確認例そのものが減っていることも、件数減少の一因ではないかとの指摘もあるという。
希少種の密猟・盗掘・盗採対策を巡っては、罰則を伴う条例制定の強化を求める意見が出された。オブザーバー(県保護推進員)からは「民間団体では『お願いベースのパトロール』になり、効果が薄い。罰則を強化した条例にしなければ堂々巡りになる」との指摘があった。
これに対し事務局の県自然保護課は、規制対象となっていない種への対応の難しさを説明するとともに、取り締まり、監視、啓発を一体的に進める必要性を強調。今後、奄美大島地区とも連携し、実効性のある対策を協議する場の整理を進める考えを示した。
組織再編は、同協議会と世界自然遺産地域連絡会議・徳之島地域部会の構成機関に一部重複があることなどから、同協議会を11月末で解散。奄美大島地区と徳之島地区の保全対策を地域部会に統合・再編する方針案が示され、出席者から概ね了承された。
意見交換では、ボランティアとして地域の保全活動に携わる専門家や推進員への交通費など、活動を支える支援の在り方についても議論。世界自然遺産の島にふさわしい持続可能な保全体制の構築に向け、関係機関が課題を共有した。