奄美和光園 親子訪問、入所者生活学ぶ 歴史を後世に 差別と偏見の実相触れる 鹿児島県
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鹿児島県奄美市名瀬の国立療養所「奄美和光園」(馬場まゆみ園長)で28日、県主催の「親子療養所訪問」が行われ、2家族6人が参加した。入所者の体調が思わしくないとのことで交流はできなかったが、職員と懇談し、ハンセン病の病態や療養所内での暮らし、患者がさらされた差別と偏見の実相に触れた。訪問事業は、ハンセン病問題の普及啓発などを目的に2002年度から実施。今回の訪問は当初7家族が参加を予定していたが、台風13号の影響で延期となり2家族のみとなった。
参加者は、学芸員の中畑勝見さん(58)の案内で、少年舎、少女舎、二葉分校跡を回り、成り立ちについて説明を受けた。歴史資料館では、同園が設立された経緯や当時の入所者の暮らしぶりを聞いた。
一般舎と呼ばれる居住施設(現在は無人)や、入所者自らが切り開いた畑も見学、その後納骨堂に足を運び献花した。
懇談会は、あすなろ棟と呼ばれる施設内のレクリエーションホールで、馬場園長ら職員も参加して行われた。
馬場園長は「最大350人が暮らした施設。現在は5人となり、平均年齢は87・0歳。60年生活している人もいる」と説明。「(入所者は)病気を理由に突然全てを奪われ、その後も偏見や差別にさらされた。新型コロナの時も同じようなことが起こった」と語り掛けた。
参加者からは、入所者の暮らしぶりについての質問が相次いだ。生活支援員として接しているという保裕之さん(44)は「女性は買い物が好き。月に1回は大型スーパーに出向き、あれこれ洋服選びをする。普段はカラオケ」と日々の生活ぶりを話した。
同園のある和光町に住む原絵莉さん(44)は、「子どもが都会に巣立ち、育った場所のことを語れるように」との思いから家族4人で参加。
娘で朝日小5年の琴子さん(10)は「学校で和光園を学ぶ授業があった。想像より広く、畑を自分たちで切り開いたと聞き驚いた。生活ぶりも知ることができよかった」と学びを深めたようだった。