台風相次ぎ徳之島の砂浜にも深刻な変化 「山ホワイトビーチ」は岩肌露出 里久浜も砂流出 鹿児島県
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【鹿児島県・徳之島】台風18号の接近・通過(25~26日)に伴い、徳之島地区では広範囲な停電や一部断水が続くなど、被害が各方面に及んでいる。復旧作業が進められる中、同島東岸の徳之島町山(さん)の通称「山(サン)ホワイトビーチ」と、同町花徳の「里久浜(りくばま)」では、相次ぐ台風による猛烈な波浪で砂浜の景観が大きく変貌(へんぼう)。関係者から落胆の声が聞かれている。山ホワイトビーチは、南国情緒豊かな自然環境に恵まれ、遠浅の海岸線が広がる人気の海水浴場の一つだった。かつては同島観光のシンボル的存在だった大型リゾートホテル(1982年7月閉業)が後背地に立地していたほか、マリンレジャーの拠点としての役割も担っていた。
一方では、山漁港の防波堤新設などの整備に伴い、以前から砂浜の減少傾向が指摘されていた。そこに台風13号(今月7~8日)と今回の18号による猛烈なしけに伴う波浪が相次いで襲来。砂の流出がさらに進み、ついには砂浜の底部から岩肌が広範囲に露出する状態となった。地元関係者からは「歴史的にも前例がないのではないか」との声もあり、かつての海水浴場とは様相が一変している。
同ビーチ沿いでかつてペンションを経営していた女性(77)は、相次ぐ台風による高潮について「漂着ごみを伴った海水が玄関先まで到達していた。約50年住んでいるが初めてのケース」。コンクリート製の親水護岸の後背部は波による洗掘が進み、一部が陥没。恐怖とともに「美しい砂浜も姿を変えた」と残念がる。
半世紀近く続く集落情報誌「山だより」の編集長を務める吉山友幸さん(74)は「山漁港の地上部には、(沖方向の)山中学校側から暗渠(きょ)があり、潮が流れる水路があった。潮の流れも良く、ホワイトビーチは沖合に60~70㍍ほど広がっていて美しかった」と懐かしがる。異変の背景として「漁港整備による潮の流れの変化に台風が重なって、今の姿になったのではないか」と推測する。
災害に詳しい公的機関の担当者も、数か月前に同ビーチを訪れた際の様子を振り返り、「同僚と2人で弁当を食べたばかりだった。元のように砂が戻ることは期待できないのではないか」と残念そうに話した。
一方、花徳の里久浜でも自慢の砂浜の後退が確認された。宮城山(通称・スリバチ山)の美しい景観に抱かれた同浜も徳之島を代表する海水浴場の一つ。台風18号の通過後は砂浜が極端に狭まり、防潮林のモクマオウが根元から露出したほか、後背地に隣接する宿泊施設の基礎部分にも波が迫り、休憩設備を破壊して洗掘が進んだ。
ちなみに台風13号では東~南寄りの風が強まり、天城町で最大瞬間風速41・2㍍を観測。波高は10~11㍍に達したとされる。今回の18号では北北東~東寄りの風が吹き、同町で観測史上最高の最大瞬間風速54・5㍍を記録。10㍍超の波が押し寄せたとされる。
相次ぐ台風の猛威は、徳之島の暮らしだけでなく、島を代表する美しい海岸景観にも大きな爪痕を残した。自然の力に加え、海岸や港湾整備などによる潮流の変化も指摘される中、砂浜の回復や今後の海岸環境への影響が注目されそうだ。