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徳之島福祉会「創立60周年記念祭」 新たな「福祉文化」共創へ 「ともに生きる喜びを…」 鹿児島県
自然・火山 奄美新聞 👁 5

徳之島福祉会「創立60周年記念祭」 新たな「福祉文化」共創へ 「ともに生きる喜びを…」 鹿児島県

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 【鹿児島県・徳之島】伊仙町伊仙で「養護徳之島老人ホーム」をはじめ、通所・訪問介護事業所、認定こども園「木らら」などを運営する社会福祉法人徳之島福祉会(樺山八壽代理事長)の創立60周年記念祭が6日、同町のほーらい館で開かれた。来賓や地域住民ら関係者約300人が出席。戦後の傷跡が残る中、奄美における高齢者福祉の草分けとして苦楽を分かち合った60年の歴史に感謝し、次代へ「島の福祉文化」の共創を誓った。

 養護徳之島老人ホームは法人設立翌年の1966(昭和41)年、当時県議だった樺山信忠氏(初代伊仙町長)が、戦争や台風被害で荒廃し、過疎化や高齢者の孤立が進む南三島の状況を憂い、私財を投じて設立。自治体の財政難から十分な公的支援を得られない中、物資不足を乗り越えながら地域の相互扶助の精神を育んできた。

 1969(昭和44)年には天皇陛下から御賜金を受け、72年には皇太子同妃両殿下のご行啓を受けた。2000年の介護保険制度開始後は訪問介護や通所介護などの事業を順次展開。09年には居室の全室個室化を実現。22年5月の新型コロナウイルス感染拡大時には、医療機関の支援を受けながら職員が一丸となって感染対策に取り組み、施設利用者から死者を出すことなく危機も乗り越え〝還暦〟の節目を迎えた。

 60周年記念祭は、施設利用者と認定こども園「木らら」の園児たちによるあいさつや合唱で開幕。徳之島混声合唱団が樺山理事長作詞の「てんとうがなし」を、娘の樺山ほずみ施設長が「親がなしお蔭」(作曲・ピアノ伊地知元子さん)を独唱し、節目の式典に自ら花を添えた。

 樺山理事長はあいさつで、特別養護老人ホームの「3対1」(利用者3人に支援者1人)の職員配置基準が、戦後の措置制度以降もなお続く養護ホームの「15対1」の矛盾、地元自治体への財源移管など制度上の苦難の歴史を述懐。利用者の高齢化、認知症の増加など厳しい現状の中にも、「これからの福祉は、単なる『介護する・される』の関係を超え、絵画や音楽などの文化活動を通して一人一人の個性や生きがいを引き出し、共に生きる喜びを目指すべき」とも強調。福祉と文化を結び付けて実践する地域づくりへの厚い思いも示した。

 来賓祝辞には伊田正則伊仙町長、保岡宏武衆院議員、寿肇県議、徳之島・天城両町教育長、利用者親族代表など6人が登壇。高度経済成長期に若者の島外流出が進む中、島に残る高齢者の命と暮らしを支えてきた同施設の60年の歩みをたたえ、さらなる発展に期待を寄せた。

 永年勤続者の森健士さん(27年)ら職員7人の表彰に続き、舞台発表の記念催事へ。「木らら」園児たちの演舞に続き、コロナ禍で休眠状態にあった伊仙町の目手久民謡保存会が「目手久八月踊り」を披露。天城町からは松原西区田植え踊り保存会が「松原一番豊年踊り」も披露して盛り上げた。

 樺山施設長は謝辞で創業者である祖父母と両親(樺山資敏=第6、7代伊仙町長、八壽代理事長)、歴代職員らの労苦を振り返り、日々現場を支える現職員や地域への感謝を述べた。

 5日から2日間、同館ロビーでは利用者たちが創作した書画や工芸など作品展「世界にたった一つの個性」も開催。認知症時代がささやかれる中、利用者それぞれの感性が光る作品が並び、来場者の関心を集めた。