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航空医療の必要性説く ドクターヘリ10周年 連携で一定の水準保つ 鹿児島県立大島病院・中村センター長 救急医療講演会
総合 奄美新聞 👁 1

航空医療の必要性説く ドクターヘリ10周年 連携で一定の水準保つ 鹿児島県立大島病院・中村センター長 救急医療講演会

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 大島郡医師会(稲源一郎会長)主催の「2026年度救急医療講演会」が9日、奄美市名瀬のアマホームPLAZAであった。奄美地域で運航10周年を迎えた救急医療用ヘリコプター「奄美ドクターヘリ」をテーマに、県立大島病院救命救急センター長の中村健太郎医師が講話。航空医療の足跡や課題、離島医療で要する地域連携の重要性を説いた。

 講演会は救急医療週間(6~12日)にあわせて開催。今年度は「奄美ドクターヘリ10周年記念」と冠し、中村医師が特別講演を務め、医療、消防職員らによる実演講習を実施。市民ら約250人が聴講した。

 ドクターヘリは、人工呼吸器などの医療機器や医薬品を積載し、医師や看護師らが治療しながら搬送が可能。奄美群島での導入は県内2例目で十島村(トカラ列島)も対象。16年12月27日に運航が始まった。

 奄美ドクターヘリによる昨年度までの搬送件数は2733件で、うち救急現場から病院への搬送は1164件、県本土や沖縄県など医療機関に移す施設間搬送は1569件。中村医師は「奄美群島でのドクターヘリは最重症患者の搬送には欠かせず、消防、海保、自衛隊各航空機との連携で一定の医療水準が保たれている」とし、航空医療の必要性を説明した。

 施設間の搬送先は、県本土と沖縄県が約半数を占め、近年は、沖縄県への搬送が増えていると報告。また、今年3月、大島病院から重症患者を小型ジェット機「ドクタージェット」で福岡市の病院に搬送した事例を挙げ、「沖縄、地方の医療従事者たちとアプリなどを利用した『顔が見える関係』構築に注力している」とし、島外での広域連携の取り組みを伝えた。

 一方、航空医療を通した課題として、ドクターヘリへの重複要請や天候不良、時間外要請による「不出動」を指摘。特に夜間の搬送体制については、昼間運用に限られたドクターヘリに代わり、県の消防防災ヘリの活用を言及。運航費用などを理由に昼間運用に限られた現状を伝え、島根県防災航空隊など4都府県での夜間運用の事例を解説した。

 中村医師は「離島を多く有する鹿児島県だからこそ、航空医療を関係機関で話し合う場が必要なことを強く訴えたい」とし、「奄美の救急医療は次のステージに進もうとしている。単に命を救うだけではない、社会復帰や搬送後の帰島など生活の幸せを目指し、皆さんと一緒に医療体制をつくりたい」と協力を仰いだ。

    ◇

 実演講習では、大島地区消防組合と県立大島病院救急科・救命救急センターの職員らが登壇。「救急の日」(9日)に関連し、救急通報からドクターヘリによる患者搬送の一連の流れを実演。「判断に迷ったら119番通報を」などと呼びかけた。