屋久島・白谷雲水峡が通行止め 台風24号の被害で復旧めどたたず、シルバーウィーク直前に問い合わせ殺到 蛇之口滝・千尋の滝に人集まる
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9月5日に接近した台風24号の爪痕がいまだ残る屋久島町。白谷雲水峡やヤクスギランドへ向かう県道は現在も通行止めが続いており、シルバーウィークを前に観光客からの問い合わせが殺到している。しかし現地を訪れると、予定変更を余儀なくされた観光客たちが、蛇之口滝や千尋の滝、リバーカヤックといった「別の屋久島」を楽しむ姿が広がっていた。「もう一度、屋久島に来ることが決まった」——そんな前向きな声も聞かれる。9月上旬、鹿児島県内に接近し長期間にわたって影響を与えた台風24号。屋久島町では、レベル5の土砂災害特別警報が発令されるほどの甚大な被害が生じ、その爪痕は今も島内各地に見られる。
特に深刻なのは、土砂崩れによる道路の通行止めだ。白谷雲水峡へ向かう県道、ヤクスギランドへ向かう県道いずれも現在も閉鎖されており、屋久島を代表する人気観光地へのアクセスが断たれた状態が続いている。
屋久島観光協会の藤山美有さんは「電話がひっきりなしに来ている。シルバーウィークに向けて来る人が多く、問い合わせが非常に多くなっている」と対応に追われる現状を語った。
そんな状況の中、屋久島町尾之間では普段とは異なる光景が広がっていた。蛇之口滝へ向かう人たちが次々と訪れ、多くが「予定を変更してここへ来た」と口にする。
大阪から訪れた観光客は「白谷雲水峡のコケのところがすごくきれいとネットで見てきて、行けなくて悲しい。蛇之口滝でもきれいな自然が見られると思う。今から楽しみたい」と話した。
京都からの観光客は「縄文杉に向かうバスのチケットを買いに行ったら土砂崩れで行けないことが分かった。きのうの夜に飲み会で作戦会議をした。もう一度、屋久島に来ることが決まって楽しみができたのはすごく大きい」と前向きに語った。
島の南東部に位置する駐車場では、千尋の滝やモッチョム岳へ向かう観光客が集中し、普段とは異なるにぎわいを見せている。タクシー運転手は「駐車場が満杯になっている。貸し切りバスが入れず、普段は今の半分くらい。ここから登ったらすぐ上に大きな杉が2本あり、皆さんそれをめがけて来ている」と驚きをもって語った。
屋久島の魅力は山だけではない。安房川では、屋久島の壮大な自然を満喫できるリバーカヤックを楽しむ観光客の姿が見られた。東京から訪れた観光客は「カヤックをしてすごく気持ちよかった。屋久島がいいところだと思ったのでまた来たい」と笑顔を見せた。
川や海のツアーガイドを務める石原直樹インストラクターは、キャンセルが増えている実情を明かしながらも「来てくれるお客さんに対して、川と海もあることをアピールできたら」と前向きな姿勢を示す。「自然相手でこの仕事をやっているので、災害も自然と思って受け入れるようにしている」という言葉には、島で働く人間としての覚悟がにじんだ。
県によると、縄文杉やヤクスギランドへ向かう県道については、シルバーウィークに間に合うよう9月19日までに片側交互通行での復旧を予定している。一方、白谷雲水峡へ向かう県道については、復旧の見通しは現時点では決まっていないという。
台風による通行止めが続く中でも、屋久島を訪れた観光客たちは、新たな景色や体験と出会い、島の別の顔を発見している。「もう一度来る理由ができた」——そんな言葉が、被災地でありながらも屋久島の持つ底力を物語っている。