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織り技術の言語化、可視化へ 本場奄美大島紬の技術を共同研究 早稲田大、熊本県立大
総合 南海日日新聞 👁 4

織り技術の言語化、可視化へ 本場奄美大島紬の技術を共同研究 早稲田大、熊本県立大

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 早稲田大学と熊本県立大学は2月から、鹿児島県奄美市笠利町の笠利大島紬織工養成所(入所者12人)で本場奄美大島紬の織り技術支援に関する共同研究を行っている。同養成所で16日、半年間の研究成果の発表会があった。共同研究者の1人で、早稲田大学大学院2年の福田祐真さん(23)が、織りの熟練者と初心者の視線の違いなどを報告。今後さらに研究を進め、初心者の技術発展へ織り技術の可視化、言語化を目指す。

福田さんが鹿児島大学工学部在籍時に講義で奄美大島を訪れた際、本場奄美大島紬の技術継承に課題意識を持ったことが共同研究のきっかけ。福田さんのほか、早稲田大学人間科学学術院の尾澤重知教授、熊本県立大学共通教育センターの森裕生准教授の3人で共同研究を行っている。

 研究では人の視線の動きや注視している箇所をリアルタイムで計測・記録する眼鏡型の装置を活用している。研究チームは毎月1回養成所を訪れ、織り工程の経験が浅い入所者に約10間装置を着用してもらい、織り作業時の視線データを収集。事前に集めた熟練者のデータと比較した考察や注視した理由を尋ねた。

 熟練者の視線データでは、経(たて)糸と緯(よこ)糸が交差する「織り口」周辺で、視線が一列に集中する傾向にある。福田さんは今回発表した2~4月調査分の研究成果について、「経験が浅い入所者は調査当初、視線が固定されず、一定箇所を見る時間も長かった。検証を重ねるごとに熟練者の視線データに近づいてきた特徴がみられた」などと報告した。

 昨年4月に同養成所に入所し、今回共同研究に協力した木下真里さん(68)は「毎月収集データの考察をフィードバックしていただき、無意識だった視線の癖を考えるきっかけになった。一点を注視する時間も短縮され、織り技術の変化も感じている」と話した。

 今回の研究成果は27日、北海道で開催される日本教育工学会2026年秋季全国大会でも発表される。福田さんは「今後も研究を続け、織り技術を可視化したり言語化することで、短いプロセスで技術を身に付けることができるものを作りたい」と意欲を示した。