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日本彫刻界の重鎮が手がけた6作品が並ぶ鹿児島市の文化公園 サッカースタジアム計画のあおり受け、先行きが懸念
スポーツ 南日本新聞 👁 7

日本彫刻界の重鎮が手がけた6作品が並ぶ鹿児島市の文化公園 サッカースタジアム計画のあおり受け、先行きが懸念

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 鹿児島市与次郎2丁目の文化公園に六つの彫刻が立っている。芸術文化の拠点を象徴するモニュメントとして1983年の開園時から親しまれてきた。だが、市が整備を目指す多機能複合型サッカースタジアム計画のあおりを受け、先行きが懸念されている。この機に、日本彫刻界を代表する重鎮が手がけた秀作の数々に注目したい。

 正面入り口から石畳を歩くと、圓鍔(えんつば)勝三氏の「朝の調」が出迎える。金色に輝く女性像4体の躍動感が目に焼き付く。そこから隣接する市民文化ホール(川商ホール)へ向かう途中に、木下繁氏の「望」と松田尚之氏の「白光に浴す」が立つ。公園奥のかつて噴水があった場所には、いずれも金色の富永直樹氏の「断」と晝間(ひるま)弘氏の「雄気」が並び、さらに右へ歩くと木立を背に北村治禧(はるよし)氏の「麗新」が姿を現す。

 改めて正面から眺めると、作家個々の作風を楽しめるとともに、互いに干渉しないよう程よい間隔で配置されている。

 作者はいずれも故人で、圓鍔氏と富永氏は後の文化勲章受章者、他の4人も日本芸術院会員に名を連ねた大家ぞろいだ。「第一級の作品を集めようとした当時の意気込みが分かる」と美術関係者は評価する。

 オープン直前の83年元日付「かごしま市民のひろば」が、市民文化ホールとともに「文化の鐘を高らかに」と誇らしげに紹介したのもうなずける。開園から43年、像はすっかり周囲の風景に溶け込んでいる。

 ここに来て文化公園に注目が集まるのは、市がスタジアム候補地を、移転予定の「鹿児島サンロイヤルホテル」跡地と、県立鴨池公園内の庭球場に絞ったからだ。鴨池公園が建設地に選ばれれば、庭球場を文化公園に移設する可能性が高い。市は二つの候補地を対象に、5月末までに立地可能性調査を終える予定だ。

 かつて高らかに鳴らされた「文化の鐘」をどう引き継ぐのか、文化公園とともにモニュメントの行く末が気にかかる。