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最高賞の会長賞に輝く 大高生3人が奄美方言分布研究 高校生ポスターセッション
総合 南海日日新聞 👁 8

最高賞の会長賞に輝く 大高生3人が奄美方言分布研究 高校生ポスターセッション

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 日本地理学会主催の「2026年春季学術大会高校生ポスターセッション」で、鹿児島県奄美市名瀬の県立大島高校3年の寿藤乙葉さん(17)、森田凉必(すずみ)さん(17)、豊ゆいかさん(17)の発表が最高賞となる会長賞に輝いた。初参加で県内初の快挙。3人は「積み重ねてきた努力が身を結んだ」と喜びを語った。

 地理学の有識者らで組織する日本地理学会は春と秋の年2回、約3000人いる会員の交流、研究成果の社会への還元などを目的に学術大会を開いている。

 高校生ポスターセッションは、他校の生徒や研究者と交流を深めることで新たな視点の獲得につなげてもらおうと、同大会のプログラムとして2014年に創設された。今回は3月27日に法政大学市ヶ谷キャンパス(東京都)であり、全国から116件の参加があった。そのうち6件が会長賞、12件が理事長賞を受賞した。

 3人は「奄美大島方言分布地図~島口の保存と継承、多様性の証明を~」と題して発表。「全国共通語の急速な普及により、方言の保存・継承は難しくなる。今後さらに私たちの当事者意識や保存のための調査が求められる」と強調した。

 研究は奄美大島の30集落で聞き取り調査を行い、「太陽」や「海」など、35語の言い回しを比較した。調査対象は70歳以上で中学校卒業まで同じ地域に住んでいた住民。一人一人に35語の画像を見せて回答してもらった。約60人から集めた回答で分布地図を作成し、南北で語形が分かれる「トゥビンニャ分布」など特徴的な分布パターンを五つ自分たちで定義した。

 また、1984年の先行研究(柴田武、奄美大島のことば―分布から歴史へ―)との比較で分布に大きな変化は見られなかった一方、語形が多い語彙(ごい)ほど全国共通語化が進んでいる傾向にあることが分かった。
 3人は総合的な探究の時間でグループを結成。1年生時に研究テーマを決め、調査期間は2年生だった昨年度1年間を費やした。「消滅危機にあると聞いてから奄美の方言に興味を持った。昔の言葉の魅力を知ることで今の自分たちの言葉を豊かにしてくれる」と豊さん。

 ポスターセッションは研究成果を図表やグラフにまとめたポスターを会場に掲示し、発表者がその前で参加者に直接説明し、質疑応答も行う。森田さんは「奄美の言葉を知らない人に説明することは楽しい。奄美の方言(島口)を残す活動をもっと広めていきたい」と語った。

 寿藤さんは学芸員になりたいという夢を持つ。「調査結果を整理することなど苦労したことも多いが楽しめた。今回の経験が将来を明るくしたと思う」と笑顔を見せた。堂園校長も「地元に還元できる素晴らしい研究」と生徒たちの快挙を喜んだ。

 発表内容は学会のホームページで約1年間公開される。3人は「さらに進めたい研究。調査対象を広げるなどもっと深く知りたい」と意気込んでいる。