和光園「永続化」のモデルに ハンセン病市民学会が開幕 奄美市名瀬
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ハンセン病市民学会の総会・交流集会in奄美(同学会、開催地実行委員会主催)が16日、鹿児島県奄美市名瀬で開幕した。初日はアマホームPLAZAで交流集会(全体会)があり、約270人が来場。パネルディスカッションを行い、入所者の減少や高齢化で存続の是非が問われている国立療養所「奄美和光園」の今後について意見交換。同園を全国の療養所のモデルケースとして永続化を目指す基本方針をまとめた。市民学会は、ハンセン病問題の真相究明、差別・偏見の解消、施設の将来の在り方などを市民と一緒になって考え、取り組んでいる。奄美での総会・交流会の開催は2016年以来10年ぶりで、全国から200人以上が来島。全体統一テーマを「奄美から始めよう~地域と当事者のこれから」とした。
交流集会では、奄美和光園17代目園長の馬場まゆみ氏が、「奄美和光園での地域医療の現状と可能性」と題して講演。ハンセン病国賠訴訟の担当弁護士や同園関係者、入所者の家族など7人がリレー形式で同園の歩みや入所者の実情を伝えた。
続いて、パネルディスカッションがあり、ハンセン病国賠訴訟西日本弁護団の徳田靖之氏を司会に、屋猛司氏(全国ハンセン病療養所入所者協議会会長)と崎田信正氏(奄美市議)が同園の「永続化」をテーマに意見交換。ハンセン病問題基本法改正の必要性を掲げ、「国会への働き掛けだけでなく、奄美市と地域からも声を上げて地域の発展につながる永続化を実現する必要がある」と呼び掛けた。
和光園は現在、入所者6人で平均年齢は87・5歳。市民学会共同代表の訓覇浩氏(大谷大学非常勤講師)は「和光園は全国13カ所の療養所で入所者が最少という事情もある中、外来診療など独自の取り組みも実現している。和光園の例を伝えることで全国の市民一人一人が問題について考えるきっかけになれば」と奄美開催の意義を強調した。
京都府から来島したという50代女性は「奄美独自の課題や背景だけでなく、当事者しか語れない貴重な話が聞けた」と語り、和光園の永続化については「入所者一人一人の生きた証しを未来の子どもたちに語り継げるような施設を目指してほしい」と期待した。
開催地実行委員会は、市民学会に向けて2回のプレ集会を開くなど、機運醸成に努めてきた。委員長を務めた「奄美和光園と共に歩む会」の福田恵信代表は「らい予防法の廃止から30年、国賠訴訟の勝訴から25年の節目に奄美で開催できたことは感慨深い。離島にもかかわらず全国から多数の参加があり、参加者の熱意を感じた」と手応えを示した。