カゴミル 鹿児島の今のニュースを、まとめて。

← 一覧
「注文した商品が来ない」鹿児島で広がる石油由来品の供給不足、塗装業や住宅工事に直撃
政治 鹿児島ニュースKTS 👁 6

「注文した商品が来ない」鹿児島で広がる石油由来品の供給不足、塗装業や住宅工事に直撃

📰 全文
石油由来の製品が届かない。そんな状況が、鹿児島市内のホームセンターで現実のものになりつつある。中東情勢が悪化してから約2カ月半。遠く離れた鹿児島でも、日常生活や仕事、さらには県が発注する公共工事にまで影響が及んでいる。

鹿児島市東開町のホームセンターきたやま東開店では、店内のあちこちに購入制限の案内が貼られている。

中東情勢が悪化してから約1カ月が経つころから、石油由来の商品が注文通りに入荷できなくなったという。具体的な品目は多岐にわたる。建築資材である合板や断熱材は接着剤や材料が不足し、シャワー式トイレはメーカーからの入荷に制限がかかっている。さらに、エアコンの化粧カバー、ゴミ袋、ゴム手袋といった生活に身近な商品にも購入制限が設けられている。

芝刈り機などに使う混合ガソリンに至っては、陳列棚が空になっている状態だ。防水や災害時に活用するブルーシートにも購入制限がかけられている。

同店の林田誠二参事は現状をこう語る。「影響を受けているのは石油由来の商品がほとんど。今はあるが、今後どうなるかという不安はある。注文した商品が届かない、お客様が欲しい商品が販売できない、それが一番困っている」。そして「状況がどのように傾くか全然分からないので、我慢する時期ではないか」と続けた。

生活用品にとどまらず、職業上の影響も出ている。

塗装業を営む人物は、シンナーの入荷が激減していると明かした。「18L買うのだけど、それが4Lしか持って来ない。1台、2台塗れば4Lはすぐなくなるので、その辺が困っている」という。加えて、車のエンジンオイルも「注文して1カ月になるが来ない」状態だという。

住宅建築を予定している知人がいる買い物客も、影響を実感している一人だ。「物自体がないという話を聞くので、工程が遅れたり家を建てる目標がすごく後ろ倒しになる。話を聞いていてすごく胸が痛い」と語った。

取材が行われた5月17日には、県本土で今年初めての真夏日が観測された。気温の上昇と梅雨の接近というタイミングで、よりによってエアコンの化粧カバーや混合ガソリンにも購入制限がかかっているという皮肉な状況だ。

子育て中の買い物客は、ゴミ袋の購入制限に不安を口にした。「子育てする中でもたくさん使うので、『高くなっていくのかな』と不安になる。なる前に必要な物は整理して買っておきたい」。

影響は個人や民間にとどまらない。鹿児島県が管理する住宅や施設でも、塗料などの入手が困難になり、工事の一部が中断する事態になっている。

中断しているのは、県営住宅や県の職員宿舎、学校施設での外壁改修工事など合わせて6件。いずれもメンテナンスを目的とするもので、原油由来の塗料やシンナーなど必要な資材が入手困難となっていることが原因だ。工事を受注した事業者は資材が入手でき次第、工事を再開する予定だが、再開の時期は見通せていない。

塩田知事は定例会見でこの問題に言及し、「政府のほうにしっかりと目詰まりの解消、資材の安定供給をしてもらえるよう要請をしていきたい」と述べ、国への働きかけを行う考えを示した。

中東情勢の悪化から2カ月半あまり。ホームセンターの棚が空になる光景、届かない塗料、進まない工事。その影響は、鹿児島の日常生活に確実に忍び込んでいる。「我慢する時期」という言葉が重くのしかかる中、状況がいつ好転するのか、先行きはまだ見えていない。