元陸上幕僚長・岩田清文氏が鹿児島県奄美大島2市町で講演、意志と能力示す「抑止」を
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元陸上幕僚長の岩田清文氏(69)の講演会が9、10の両日、「国際情勢の激変と我が国の防衛 この島を守るために何が必要か」と題し、奄美大島2市町で行われた。緊張が続く中東情勢やウクライナ侵攻などを解説し、近い将来、中国による台湾侵攻が起きた際、米国が十分に対応できない可能性を報告。「日本は攻め込まれたら戦うという意志と能力を示すべき」と抑止力の重要性を訴えた。NPO法人サポート倶楽部絆(東京都)主催。9日は奄美市名瀬のアマホームPLAZAで約200人、10日は瀬戸内町古仁屋のきゅら島交流館で約130人が聴講した。
岩田氏は今年2月から続く米・イスラエルの対イラン軍事作戦は核兵器保有の阻止などを目的とし、「国際法上の是非は検討が必要だが、被爆国である日本は核不拡散の観点で一定の評価をすべき」と指摘。また、同作戦でトマホーク巡航ミサイルなど弾薬を大量消費していると分析。米国の台湾有事に要する即応態勢への懸念を伝えた。
長期化するウクライナ戦争については、「必ずしも軍事的優位が政治的勝利にはならない。ウクライナ国民の愛国心、抵抗心に基づく意志力を教訓にすべき」と説明。台湾有事については、中国、ロシア、北朝鮮の3正面対応になる可能性を伝え、見解が分かれる日本の支援について、「台湾の現状維持は国益につながる」との認識を示した。
昨年11月、高市首相が国会で発言した「(集団的自衛権を行使する)存立危機事態になり得る」との答弁を「抑止への強い意志表示となった」と評価。年内に改定される安保3文書は抑止の能力にあたり「国家安全保障戦略には『愛国心』の文言を明記すべき」と言及。「意思と能力を示すことこそが抑止となる。戦争は絶対に起こさせてはいけない」と力を込めた。