強盗計画疑いの4人不起訴 鹿児島地検 専門家「供述ベースの立証に壁」
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鹿児島地検は22日、佐賀県内の住宅に強盗に入る目的で出水市に集まったなどとして、強盗予備の疑いで送検された19〜49歳の5人のうち、男性4人を不起訴処分とした。理由は明らかにしていない。県警は匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の実行役の可能性があるとみていた。匿流の犯行には、一定時間でメッセージが消える秘匿性の高い通信アプリが使われるケースが多い。記録が残りにくく、今回も証拠が乏しいと判断された可能性があり、刑事責任を問う難しさが浮き彫りになった。県警は指示役の解明に向け、捜査を続ける。
4人は徳島市の会社員男性(27)、本籍東京都日野市、住所不定の職業不詳男性(21)、東京都八王子市の無職男性(21)、神奈川県相模原市の無職男性(49)。氏名不詳者と共謀し、バールなどを準備して出水市の国道3号に止めた車内に集合したり、佐賀県内の住宅の在宅確認で電話したりした疑いで、鹿児島県警は12日までに送検した。
盗品を回収するため、佐賀県内に待機した疑いで送検された神奈川県海老名市の専門学校生の男(19)について、地検は捜査中。
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福岡県警本部長などを務めた京都産業大学の田村正博名誉教授(警察行政法)
予備罪は実行行為に着手しておらず、動機や目的も本人の供述に依存する部分がある。そのため未遂罪に比べると起訴に難しさがある。法定刑の上限は低く、未遂に比べ刑罰も軽い。
今回はバールなど証拠がそろい、実害を防いだという点で県警による逮捕には意味があった。匿名・流動型犯罪グループによる事件が全国で相次ぐ情勢を踏まえ、放置できないと判断し踏み切ったのだろう。
しかし、警察による逮捕の必要性と、検察が起訴し処罰まで求めるべきかという議論は別だ。地検は刑罰を求めるまでの立証には至らないと判断したと考えられる。