中東情勢の緊迫、日中関係の悪化、止まらぬ物価高…難局の中、経営者が新入社員へ訴えたメッセージ 鹿児島県内で入社式
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新年度が始まった1日、鹿児島県内の多くの企業・団体で入社式があった。中東情勢の緊迫や日中関係悪化、物価高など企業を取り巻く環境は厳しい。各トップは「難局は続くが、若い力をエネルギーに変え挑戦を」と訴えた。米国とイスラエルのイラン攻撃に伴う原油価格高騰は企業経営に影を落とす。41人を迎えたJA鹿児島県連では、燃料高が茶工場やハウス栽培といった農林水産業の生産現場を直撃する。JA県中央会の山野徹会長(70)は「農業経営や食を脅かすリスクは日々増大している。一緒に揺るぎない土台を築こう」と鼓舞した。
路線バス事業などを手がける岩崎グループ(鹿児島市)は29人が仲間入り。同社は系列会社から燃料を仕入れるものの、昨年5月就任の岩崎貴光社長(40)は「楽観はできない。新たなエネルギー満たす一歩を踏み出して」と呼びかけた。
石油やLPガスのエネルギー事業が主力のMisumi(同市)の平田慶介社長(64)は、新入社員24人を前に「事業を続けることは変わり続けることだ」と力を込め、激変する世界情勢に対応できる柔軟性の大切さを強調した。
世界経済も不安定な状況が続く。145人が入行した鹿児島銀行(同市)は、1日就任の碇山浩美頭取(63)が、金利上昇が今後見込まれることに触れ「金融機関の競争はさらに激しくなる。新しい知識を吸収し、失敗を恐れずに挑戦してほしい」と激励した。
観光業は、日中関係悪化に伴う中国客減少などで影響を受ける。新入社員36人に城山観光(同市)の矢野隆一社長(64)は、国内外から多様な客が集うホテルの特性を説明し、「相手を理解して関係を築くことが大切」と話した。
国内外に事業所を持つ同市の西原商会では、外国人6人を含む102人が新社会人のスタートを切った。西原一将社長(49)は、一層の燃料高騰や長期化する原材料高を懸念。「時代の転換期を力強く生き抜き、ともに成長を」と期待した。
養殖ブリを輸出するグローバル・オーシャン・ワークスグループは、3月完成の垂水市の新社屋で、グループ3社計14人が入社式。増永勇治社長(56)が「社会の変化は誰も予測できない状況。立ち止まらず変化し続け、理想の会社を形作ろう」と歓迎した。
3月23日に一足早く入社式をした曽於市のナンチクは、9人が新たな一歩を踏み出した。牛肉輸出先は米国や東南アジアが中心なものの、中東情勢の悪化が続けば、輸送コストが上がる恐れがある。担当者は「飼料の価格高騰にも拍車をかけかねない」と懸念した。
■京セラ2工場で入社式
1日、霧島と薩摩川内の両市であった。同日から鹿児島国分工場と鹿児島隼人工場が統合した鹿児島霧島工場では56人が出席。重田幸男工場長は「地域と共生する工場の一員として行動してほしい」とあいさつ、新入社員代表の湯原虎太郎さん(20)は「常に向上心を持ち、どのようなことにも積極的に挑戦し、成長したい」と決意を述べた。鹿児島川内工場では52人が入社した。