台風欠航に備え臨時ATR訓練 県病院で初の実務運用検証 奄美大島
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鹿児島県と県赤十字血液センターは23~25日、奄美市名瀬の県立大島病院を対象に、台風による航空便欠航に備え血液を確保するための臨時ATR(血液搬送専用小型冷蔵庫)運用実務訓練を初めて実施した。奄美群島には血液備蓄所がなく、台風など悪天候時は供給が途絶する恐れがあるため、ATRは緊急時の代替供給手段として位置付けられている。県保健福祉部は「訓練では問題なく運用できた」とした上で「血液備蓄所の課題は別問題であり、引き続き関係者間で協議する」と説明した。臨時ATRは昨年9月、国内で初めて同院で運用を開始した。これまでに航空便が2日以上欠航するなどの使用条件を満たす機会はなく、実績はない。今年4月の検討会で台風シーズン前の実務訓練を行う方針が決まり、今回の訓練につながった。
訓練は23日、県病院が航空便の長期欠航を想定し、血液センターへ運用を要請。同センターが24日午前9時に血液製剤の搬送準備を開始し、鹿児島空港から民間便で輸送した。奄美空港では取り扱い指導を受けたタクシーのドライバーが受け取り、車内で給電しながら搬送。同日午後2時、同院で受領し、院内電源へ切り替え保管した。台風通過後は未使用の模擬血液製剤入りATRを返送。訓練には同院中央検査部の検査技師ら10人が参加し、受領確認や返送手順の説明を受けた。
ATRは、庫内を2~6度に保つ小型冷蔵庫で、280ミリリットル血液製剤5パックの収納が可能。所有権と輸送費は日赤が負担する。
県病院の大木浩麻酔科医は「問題なく臨時ATR運用が可能と確認できた。軽微なマニュアル修正が課題」と話し、「台風は群島全体を襲う。有事だけでなく平時の供給体制強化が重要。今回の運用には大出血時の血液は含まれない。島民には今後も血液供給体制に注目してほしい」と強調した。