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「登っていいんですよ」古代の王が眠るとされる前方後円墳 SNSで話題の「横瀬古墳」に登ってみた【鹿児島・大崎町】
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「登っていいんですよ」古代の王が眠るとされる前方後円墳 SNSで話題の「横瀬古墳」に登ってみた【鹿児島・大崎町】

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田んぼのど真ん中に、ポツンと小高い丘がある。草木の緑が映えるだけの丘に見えるが、上空から眺めると、その正体はすぐに明らかになる。教科書でおなじみのかぎ穴形、つまり前方後円墳だ。鹿児島県大崎町にある「横瀬古墳」は、今から約1600年前に築造された古墳時代中期の遺跡であり、九州トップクラスの権力を持つ人物の墓とも推測されている。しかもこの古墳、実際に登ることができる。

横瀬古墳の規模は、長さ約137メートル、円形部分の直径は約80メートル。大崎町教委で埋蔵文化財専門員を約30年にわたって務める内村憲和さんは、その被葬者についてこう語る。

「5世紀の中頃、九州を統括しているくらいの人物。いろんな小さな国の王がいて、その王をまとめている王」

古墳時代中期の大崎町は、九州で最も栄えていた可能性もあるという。内村さんは「かなり栄えていたと思う。おそらく渡来人も来ていて、現代では交通の便を高速道路や陸路でイメージするが、当時は海上交易が重要で、海に開けていたこの場所はとても重要視されていたようだ」と説明する。

陸路が主流の現代からは想像しにくいが、海に面した大崎町の立地こそが、当時の繁栄を支えた最大の要因だったようだ。

内村さんが最初に挙げる横瀬古墳の魅力は、その見た目だ。「横瀬古墳は木があまり生えていないので、遠くからでも『あっ!前方後円墳だ!』と分かる。絶妙なロケーションが魅力。写真を撮る人にはたまらないと思う」。

さらに、田んぼに水を張る季節には水面に映る「逆さ古墳」も楽しめる。青空と田んぼの水面、そして前方後円墳が織りなす風景は、写真映えを求める人にとっても見逃せないスポットだ。

横瀬古墳のもう一つの魅力が、実際に古墳に登れるという点だ。内村さんは「この古墳、登っていいんですよ」と勧める。円形部分に登ると、周囲の田園風景が一望できる。「このロケーションはすごい。『古墳に登ってパワーをもらってきました』というインスタを見ます」と内村さんは笑顔で話す。

約1600年前からこの場所を見守り続けてきた横瀬古墳は、一部が木々に覆われ、自然と歴史が調和した神秘的な空間となっている。古代のロマンを感じながら、太古のパワーを体感できる場所として、SNSを通じた口コミでも注目を集めつつある。

横瀬古墳の近くにある道の駅「くにの松原おおさき」では、古墳にちなんだ新メニューが人気を呼んでいる。その名も「古墳カレー」だ。ご飯で形取った15センチの古墳には、地元野菜のグリルと黒豚のとんかつが添えられている。7月に加わったばかりのメニューで、現在、大崎町の新名物として売り出し中だ。

食べた人からは「斬新なアイデアだと思った」「カレーもそんなに辛くないので、子供から年配の方まで食べてもらうといいと思う」といった声が上がっている。また、「ありそうでなかったカレーを町外の人たちが食べて、『横瀬古墳に行ってみようかな』という人がいるといいなと思う」という期待の声もあった。

古墳カレーを入口に横瀬古墳へ、そして横瀬古墳を訪れたついでに道の駅へ——そんな相乗効果が、大崎町全体の魅力発信につながっていきそうだ。

約1600年の時を超えて、今もなお田んぼの中に堂々とそびえる横瀬古墳。遠望、水面の逆さ古墳、そして登頂体験と、楽しみ方は一つではない。大崎町を訪れた際には、ぜひ太古のパワーを感じに足を運んでみてほしい。