江戸時代の気温を古文書の観測記録から分析、8月の平均気温は27・8度と推定…鹿児島市の池田高校が研究
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鹿児島市の私立池田高の科学思考班が、江戸時代の気温の復元を試みる研究を発表し、今年度の全国高校総合文化祭の自然科学部門・地学分野で最優秀賞・文部科学大臣賞を受賞した。同分野での最高賞の受賞は、鹿児島県内で初めてという。(小野悠紀)同高は、先進的な理数教育を目指す文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に指定されており、生徒たちが関心のある分野の課題研究に取り組んでいる。今回受賞した科学思考班には、班長で3年の生徒(17)ら24人が所属している。
同班は、江戸時代の古文書に記された日々の天候記録に着目。このうち、江戸幕府の命令で作成された天文観測記録「霊憲候簿(れいけんこうぼ)」と、弘前藩の公式藩政記録「弘前藩庁日記」の江戸屋敷の記録「江戸日記」を活用することにした。
「霊憲候簿」は1838年から17年間の天候と正午の気温が記録されていることから、晴れの出現率と正午の平均気温の関係性を分析。これに基づき、「江戸日記」の晴れの出現率から、記載期間(1668~1868年)の7月と8月の平均気温を推計した。
その結果、江戸時代の平均気温は7月が27・2度、8月が27・8度と推定。一方、太陽の活動が不活発となり、世界的に寒冷期だったとされる1645~1715年の7月の平均気温は28・2度と平均より1度高かったとみられることがわかった。また、この間に起きた四つの飢饉(ききん)の年は推定した気温が平均を下回っていた。
この結果について、班長の生徒は「世界では寒かったとされるが、日本は季節風の影響があったからではないか」とみている。
秋田県で今夏に開かれた総文祭で研究成果を発表した班長の生徒と2年の生徒(17)が8月下旬、鹿児島県庁を訪れ、塩田知事に受賞を報告。塩田知事は「大変素晴らしい。これからも色んな研究に励んで、成長してもらいたい」とエールを送った。
班長の生徒は「3年間の研究の集大成になった。太陽の周期との関連性を裏付けていけば、将来の寒冷期や現代の異常気象(の研究)にも貢献できるきっかけがあるかもしれない」と語り、2年の生徒は「とてもいい賞をいただけたので、また次につなげ、さらに研究の精度を上げていきたい」と意気込んだ。