鹿児島県 定員内不合格3倍に増加 大半は通信制へ進学 「学びの場提供大事」 公立高校入試
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公立高校入試で志願者数が定員に満たなくても不合格となる「定員内不合格」は2026年度、23年度と比較すると約3倍に増加していることが分かった。2次試験(第2次入学者選抜)でも合格できなかった不合格者の大半は通信制へ進学している。高校入学の許可は各校長が行うが、県教育委員会は「学ぶ意欲がある生徒には、学びの場を確保することが重要」との立場だ。17日にあった県議会9月定例会代表質問で県民連合の秋丸健一郎議員=霧島市・姶良郡区=が質問し、地頭所恵教育長が答弁した。
高校入試に関する配慮で文部科学省は通知を行っている。その意図について地頭所教育長は「定員内不合格自体が『ただちに否定されるものではない』と示す一方で、学ぶ意欲を有する生徒に対して学びの場が確保されることが重要との観点から定員内不合格を出す場合には、『その理由が説明されることが適切』との考え方のもと、文科省の調査結果や他の教育委員会の実施方法を参照し定員内不合格について改めて検討するよう通知している」と説明。こうした趣旨が理解されるよう、文科省は具体的な対応を加えながら毎年度通知しているという。
22年度の文科省通知を受け、23年度の県教委通知で「不合格判定について、その理由が説明されることが適切」と追記し、受験者や保護者から希望があった場合、「学校から判定の理由を説明すること」としている。24年度の文科省通知では「教育委員会における高校担当部署と中学校担当部署の連携」が示されたことから、鹿児島県でも高校教育課と義務教育課が連携し25年度から2次試験で定員内不合格となった受験者について、出身中学校を通じて「判定理由説明を希望するか確実に確認すること」とした。
定員内不合格があった学校数と人数はいずれも3月の入試である23年度23校66人、26年度40校190人。不合格者が増加しており、2次試験では23年度6校8人、26年度15校32人となった。地頭所教育長は「高校への聞き取り調査を継続するとともに、その調査結果を基に様々な機会を捉えて高校との意見交換をしている。また中学校での進路指導に生かしてもらえるよう、調査結果を市町村教委と共有している」と述べた。
2次入試の不合格者については例年4月、各中学校校長に進路調査し進路状況等を把握。26年度の不合格者のうち進学が31人で、その多くは通信制高校へ進み、残り1人は就職した。進学を希望しながら進学先が定まらなかった場合には、各中学校で教育相談や三者面談を行い、進学のアドバイスや就職先の紹介などの支援を行っているという。
26年度入試定員内不合格者のうち、不登校経験のある生徒がどの程度含まれてるかの質問もあった。答弁によると、県教委が定める入学者選抜実施要項では「特別な理由」があり、文科省が不登校と定めている年間欠席日数30日以上の入学志願者は、志願先の高校校長に自己申告書を提出できるとしている。26年度入試では1次と2次合わせて延べ579人から提出され、うち定員内不合格となったのは延べ83人。学校以外の場における学習状況にかかる資料の提出は求めていないものの、多様な学びの場での日頃の努力を適切に評価する観点から自己申告書に長所や優れた活動、高校に理解してほしい事柄を記入する欄を設けており、本人や保護者が伝えたいことを記載している事例があるという。出身中学が作成する調査書の生徒の成長状況に関わる総合的な所見を記入する欄にも記載できるようになっており、地頭所教育長は「これらは、その学校及び学科で学ぶ意欲や能力について合否を判定する際の資料の一つとしている」と説明した。