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年3.5トン!! 「日本一の金山」に潜入…染み出る温泉水、汗ばむ暑さ、最深部は海抜以下 鹿児島県伊佐市の菱刈鉱山
観光・グルメ 南日本新聞

年3.5トン!! 「日本一の金山」に潜入…染み出る温泉水、汗ばむ暑さ、最深部は海抜以下 鹿児島県伊佐市の菱刈鉱山

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 鹿児島県伊佐市菱刈前目の住友金属鉱山・菱刈鉱山は産金量日本一を誇る。近年の金価格高騰を受けて注目度も高い。前田敏明鉱山長(58)の案内で、内部を見学した。地下深く掘り下げられた坑道は場所により温泉水が染み出し、暑さで汗ばむほどだった。

 坑道の入り口は海抜265メートル。幅4.4メートル、高さ3.5メートルのアーチ状で、傾斜17%の下り勾配をひたすら車で進む。出発して3キロほどで、本鉱区の最深部の海抜マイナス80メートルの地点に到着した。東京タワーの高さ(333メートル)以上の高低差を下りたことになる。

 車から降りると、暑いことに気づく。外気温は15度前後だったが、場所によっては30度以上になるという。原因は温泉水だ。壁や床はぬれ、水たまりからポコポコと湧き出し、波紋が広がる。

 前田鉱山長によると、温泉水の層はこの地点から上の海抜マイナス30メートル付近にあるため、坑道に染み出してくるという。水温は65~90度で、1分当たり9立方メートル湧き出す。

 坑道が水没しないようにポンプでくんで外に排出しており、前田鉱山長は「鉱山の心臓部」と語る。温泉水にはガスも含まれているため、巨大な送風機で毎分2万2000立方メートルの外気を送り込み、換気する。さらに作業場では毎分2500リットルの冷水で空気を冷ましているという。排出された温泉水のうち3分の1は、市内の湯之尾温泉にパイプラインで送られている。残りは冷却など適切に処理し川内川に放流する。

 金鉱脈が見える山田鉱区の海抜35メートル地点に移動した。岩肌に白い縦長の模様が浮かび上がる。照明を当てるとキラキラ光った。前田鉱山長が金属の棒でたたくと、火花が散った。正体は石英で、火打ち石の原理と同じだという。

 金鉱脈には石英が含まれることがあり、鉄が交じると赤くなる。銀が含まれると黒っぽくなり、金の含有量も高く「銀黒(ぎんぐろ)」と呼ばれる。

 出鉱開始の1985年から、2025年3月末までの40年で272.6トンを産出した。現在は年間3.5トンの金を採掘する。埋蔵量は150トン以上と見込まれ、前田鉱山長は「あと60年は稼働でき、操業100年を目指す」と話した。