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ポーランド大使が奄美訪問 ジェローム神父の功績たたえ墓参 宣教、福祉支援に尽力
政治 南海日日新聞 👁 2

ポーランド大使が奄美訪問 ジェローム神父の功績たたえ墓参 宣教、福祉支援に尽力

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 駐日ポーランド大使館のパヴェウ・ミレフスキ大使(51)が20日、鹿児島県奄美大島を訪れた。戦後の混乱期に地域の精神的支柱となった故ジェローム・ルカチェフスキ神父(1922~2003)の功績をたたえ、奄美市名瀬の教会や墓地を訪問した。信徒との交流や墓参を通じ、神父の足跡と地域とのつながりを確認した。

 今回の訪問は、名城大学名誉教授の稲葉千晴氏(68)の働き掛けがきっかけ。稲葉氏によると、ジェローム神父が所属したコンベンツアル聖フランシスコ修道会はポーランドと深い関係を持ち、ポーランド系移民から多くの宣教師が生まれ、日本各地に派遣された。奄美でも宣教活動や福祉支援に尽力し、特にジェローム神父は障がい者施設や児童養護施設の整備など地域社会に貢献したという。奄美ではカトリック信者の割合が高く、その背景にこうした歴史があると指摘した。

 一行は奄美市役所で安田壮平市長を表敬訪問後、同市名瀬古田町のマリア教会を訪れ、信徒らと面会した。集まりでは、神父が徒歩で各地を巡りながら宣教を続けたことや、病人の看取りや生活支援に尽くした姿が語られた。「誰にでも分け隔てなく接し、厳しさと優しさを併せ持つ父親のような存在だった」と懐かしむ声が上がった。

 その後、神父の墓地を訪れ献花。祈りをささげ、長年にわたり地域に寄り添った功績をしのんだ。

 ミレフスキ大使は奄美の印象について「離島でありながら世界に開かれ、外国人宣教師や移住者を受け入れてきた温かい社会」と評価し、ジェローム神父については「奄美に価値観をもたらすと同時に、島の文化からも影響を受けた存在であり、共栄と平和の象徴だ」と語った。

 今後については、奄美とポーランドの交流促進に意欲を示し、「奄美の人々に大使館を訪れてほしい。互いの理解を深める架け橋を築きたい」と話した。

 奄美市名瀬のカトリック信徒・久保順子さん(74)は50年以上前、ジェローム神父が結婚式を取り仕切ったという。「神父は心の深い方で、『神の心で進みなさい』という言葉が今も支えになっている。母がバチカンでポーランド出身のローマ法王、ヨハネ・パウロ2世から祝福を受けたことなどから、ポーランドとはつながりを感じている」と笑顔を見せた。