鹿児島県・天城町当部集落で自然観察と出張マルシェ「とうべ夜市」も初開催、買い物弱者支援と交流人口増にも寄与
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【徳之島】世界自然遺産エリアに連なる豊かな自然を生かした地域活性化に取り組む天城町当部集落(太田照久区長)で26日夕、新たな交流イベント「とうべ夜市」が開かれた。集落主催のアマミノクロウサギのお話会・観察会に、天城町地域づくり協議会(豊昭仁会長)が再始動させた「出前マルシェ」を組み合わせ、さらに住民らによる手作り演芸も披露。集落人口の約3倍に当たる約150人が訪れ、にぎわいを見せた。徳之島のほぼ中央部に位置する当部集落は、国指定特別天然記念物アマミノクロウサギが民家の庭先にも姿を現す貴重な自然環境に恵まれる。「クロウサギの里」を掲げ、集落ぐるみで自然保護と地域資源の活用に取り組んでいる。町の山海留学生制度や住宅施策なども追い風となり、Iターン世帯の定着や交流人口の拡大につながっている。
集落区長には、愛知県から一家4人で移住して約8年の太田さん(51)が推挙され、今年4月に就任。初開催となった「とうべ夜市」は、「あがりまた祭り」(今年第9回開催)会場でも知られる「あがりまたいじゅん(湧水池)」広場を中心に午後5時に始まった。
地域づくり協の「出前マルシェ」には、町水産業振興拠点施設「うおっちょ」、農産物直売所「空の駅」(わいど~むあまぎ内)、ガストール永岡商店、当部のIターン・フレンチシェフ(吉岡正美さん)による軽食コーナー、製パン「ききこもごも」などが出店。地場の農林水産物や加工品などが並び、集落内外から訪れた買い物客で活気づいた。
会場では、ジャズトランペット奏者でもある太田区長が「聖者の行進」などをソロ演奏したほか、にしあぎな学園後期課程の生徒(中学生)がエイサー踊りを披露。訪れた住民らを楽しませた。
午後6時からは、4年前に当部へIターンしてクロウサギの調査研究を続けている林倫成さん(53)が講師を務めた。定点カメラで撮影した写真や動画を紹介しながら、「トウベノクロウサギ」の生態を解説。その後、参加者は東部ダムへ至るルートを歩き、クロウサギの観察を行った。
地域づくり協の豊会長(53)によると、同協議会には現在8店舗が登録。町内を移動する軽トラ市「天城まるごとマルシェ」として全集落を巡った後、約5年間中断していたが、今年から各集落のイベントなどに合わせて出店する「出前マルシェ」として再始動した。
豊会長は「『今後も続けてほしい』『要望に応じた品ぞろえで助かった』など、感謝や継続を望む声が多く寄せられている」と説明。再始動第1号となった当部について、「過疎化が進む地域だが、住民の結束力や自然資源の活用は好事例。協議会にとっても大きな参考となり、勇気づけられる取り組みだ」と称賛。
太田区長は「集落内に商店がなく、隣集落のスーパーまでの距離は約5㌔。重い荷物を運ぶのが難しい交通弱者や買い物弱者にとっても、非常に助かる機会になった」と説明。「店舗単体で営業するより大変な面もある中、地域の趣旨に賛同して出店、協力してくれたことに感謝したい」と話していた。