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ビジネス 読売新聞オンライン

鹿児島県は医師の偏在が顕著、対策は鹿児島大学医学部「地域枠」…離島・へき地9年勤務で修学資金返済免除

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 厚生労働省が公表した2024年の鹿児島県内の医師数は4831人。人口10万人あたりでは、315・3人と全国平均を34・4人上回る。しかし、県内九つの二次医療圏別では、充足しているのは鹿児島市を中心とする鹿児島医療圏のみ。出水、曽於、熊毛、奄美の4医療圏は、必要な医師を確保できず、人口減少よりも医療機関の減少スピードが早い「重点医師偏在対策支援区域」に指定され、医師の偏在が顕著になっている。

 県が24年3月に策定した「第2期県医師確保計画」では、36年度までに医師偏在を是正することを目標に掲げる。26年度一般会計当初予算では、支援区域内で診療所の承継や開業時の運営費、設備整備費の一部を支援する新規事業に9700万円を計上。医師不足が進む地域での医療施設の整備を支援し、医師の確保につなげる。

 県は医師偏在対策として鹿児島大医学部に「地域枠」を導入。県内の高校出身の受験生を対象に推薦入試で選抜するもので、医師免許取得後の9年間を離島やへき地の医療機関で勤務すると、修学資金の返済が免除される。制度を始めた06年度から300人超が利用し、地域医療の担い手として活躍する。

 地域枠の学生らを指導する同大病院地域医療支援センターの嶽崎俊郎センター長は「地方から人が消えつつある中で、高齢者救急の増加も見込まれている。今後は更に行政と大学が協力して地域医療の充実を目指す必要がある」と指摘。医師偏在是正の鍵の一つとして、遠隔医療など医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を挙げる。

 県内でも、患者が遠隔地にいながら都市部の病院の医師の診察が受けられるオンライン診療が一部で実施されており、引き続き支援する。遠隔医療導入に向け、市町村を伴走支援したり、医療関係者を対象にしたセミナーを開催したりする事業に900万円を充てた。

 県医師・看護人材課の福島正敏課長は「人口が減って社会構造が変化する中で、医師の適正な配置は大きな課題。県内外の医師が多い地域から離島やへき地への人の流れを作れるようにしていきたい」と話した。(横峯昂)