明治の商家、江戸の武家屋敷がホテルや飲食店、美容サロンに――鹿児島県志布志市の指定文化財、民間企業が複合施設として再生、県内初
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鹿児島県志布志市指定文化財である明治時代の商家「山中氏邸」と、江戸時代建造とされる武家屋敷「木下氏邸」が、民間企業によってホテルと飲食店、美容サロンを備えた複合施設に生まれ変わった。5月1日開業した。県によると、指定文化財を民間が活用するのは県内初。歴史的建造物を生かしたにぎわいの中心として期待される。市役所本庁近くの、密貿易により繁栄した千軒町に残る山中氏邸は、築145年の商家。2階建ての主屋と土蔵、1階建ての土蔵からなる。木下氏邸は、日本遺産の志布志麓地区に立地する。いずれも市の所有で、ラッカン(同市)が借り受け、市や国の補助を受けて改修した。総工事費は2億7000万円。
「HOTEL RACCAN」は、1棟貸しの木下氏邸と、フロントと2室を設けた山中氏邸主屋の分散型ホテル。宮大工も入り、伝統的な技法と現代の技術を融合した趣のある空間となった。インテリアには市が保管していた古道具も活用し、障子や照明には地元の子どもたちが手すきした伊崎田和紙を使った。
山中氏邸の1階には大隅の食材を使ったおにぎりと定食の店「山中商店」が入り、土蔵は美容サロン「Base本店」とした。8月には、ベーカリーとチーズケーキ店が開業する予定。
4月28日、メディア向け内覧会があった。武元隆社長(45)は「市の文化財を活用する責任を感じる。地元の人にも日常的に利用してもらい、先人の技のすごさを体験してもらえる魅力的な施設にしていきたい」と話した。