「九州一の公会堂」と呼ばれたモダン建築――大空襲で焼失も4年後に再建、市営結婚式場では1万組超が挙式…縁結びの場でもあった鹿児島市中央公民館、来年開館100年
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鹿児島市山下町の中央公民館は10月で開館から99年を迎える。太平洋戦争末期の空襲被害を乗り越え、市民の文化活動の拠点として親しまれてきた。館では、節目の年を前に「開館100年直前シリーズ」と銘打った講座を開くなど、機運の盛り上げを図っている。同館は皇太子時代の昭和天皇の「ご成婚記念事業」として市が計画し、1927(昭和2)年に「市公会堂」として完成した。鉄筋コンクリート造り地上3階、地下1階建て。正面から見て左右対称の塔屋や飾り柱、アーチ型の窓など、当時としてはモダンな洋風建築で「九州一の公会堂」と呼ばれたという。
45年6月17日の「鹿児島大空襲」で土台と外壁を残して焼失したが4年後に再建され、戦後は市中央公民館として生まれ変わった。今も重厚な外観や内部の装飾が歴史の重さを感じさせる。
ご成婚記念で建てられたからか、縁結び役としての顔も持っていた。50年に市営結婚式場が開設され、72年の閉鎖まで1万1711組が挙式した記録が残っている。61年には市結婚相談所が開設され、2016年に中央町に移転するまで約1650組の婚約の橋渡しをした。2階に見合い室だった個室があり、当時の名残をとどめている。
05年に国の登録有形文化財となり、夜間のライトアップも始まった。国道10号を挟んで向かいに立つ西郷隆盛像と合わせ、観光名所としても親しまれている。
26年度は45の公民館講座を予定し、社会教育の拠点としての役割を果たしているほか、ホールでは大会やさまざまな会合が開かれ、公会堂としても機能している。
下江嘉誉館長は「講座や自主学習グループなど積極的に利用され、感謝している。これからも多くの市民が集える公民館であり続けるよう、努めたい」と話している。