熱中症対策で動物園が変わった 屋内でウサギと触れ合い・スタッフ全員にファン付き作業服 鹿児島・平川動物公園
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厳しい暑さが続く7月、鹿児島市の平川動物公園では動物も職員も来園者も、それぞれに暑さと向き合っている。2026年から新たに始まった屋内での触れ合いコーナーや、全スタッフへのファン付き作業服の貸し出しなど、園をあげた熱中症対策が着々と進んでいる。7月16日の鹿児島市は時折日差しが降り注ぎ、最高気温は33.6℃を記録した。そんな暑さは、平川動物公園の動物たちにもこたえるようだ。
カバは水の中にどっぷりと浸かり、テナガザルは仲良く日陰に身を潜めている。アシカは勢いよく水へと飛び込み、カピバラも気持ちよさそうに水の中で涼を取っていた。動物たちの姿は、人間と同じように「いかに涼しくいられるか」を本能的に追い求めているように見える。
2026年から新たに始めた取り組みのひとつが、ウサギやモルモットとの触れ合いコーナーの屋内開催だ。これまで屋外で実施してきたが、特に気温が上がりやすい午後の部を9月末まで屋内に移すことにした。
小さな女の子が「なにたべてるの?」と目を輝かせながら動物に近づく光景が、涼しい室内で繰り広げられている。
来園者からの反応も好評だ。「ゆっくりできて、とても環境が良いので、夏でも来やすいと思う」「涼しい中で動物に触れ合えて、とても快適で、いい経験にもなるのでありがたい」といった声が聞かれた。屋内化によって、夏場に足が遠のきがちな親子連れにとっても訪れやすい環境が整いつつある。
動物の世話や園内管理を担う職員への対策も進んでいる。2026年6月、平川動物公園は全スタッフ約40人にファンの付いた作業服を貸し出した。
効果は現場からの声にはっきりと表れている。ある職員はこう話す。「いつもは作業が終わって、詰め所に帰って扇風機にあたっていたが、ファン付き作業服を着て作業をしながら十分やっていける」。炎天下での屋外作業が多い動物園スタッフにとって、作業中に体を冷やし続けられることは、熱中症予防だけでなく作業効率の向上にもつながっているようだ。
園内にはミスト装置や木陰の休憩スペースも設けられており、来園者は思い思いに暑さをしのいでいた。
東京から訪れた人は「熱中症対策で、日傘と扇風機と冷たい飲み物を持って暑さ対策をして来ました。室内の展示のエリアもあったのでそういうところで長めに休憩した」と話す。大阪からの来園者は「お猿さんのところですかね?冷房が効いていたのでゆっくり見ることができた」と満足そうな様子だった。
遠方からわざわざ足を運ぶ来園者が、園の暑さ対策を活用しながら楽しめているという事実は、平川動物公園の取り組みが単なる「配慮」にとどまらず、来園者の体験価値そのものを高めていることを示している。
平川動物公園の福守朗園長は「動物園内でも暑さ対策をしているので、取り組みを知って、足を運んでほしい」と呼びかける。動物たちの夏越しの姿を見ながら、涼しい屋内でモルモットと触れ合い、ミストの下で一息つく——そんな夏の動物園の過ごし方が、鹿児島の夏の新しいスタンダードになりつつある。